企業が取るべきWebリスクマネジメントとは?必要性と方法を説明
- 公開日:2025.03.28

目次
はじめに
インターネットは今や、あらゆるビジネスを展開する上で欠かせないツールです。しかし、SNS炎上や情報漏洩、不正アクセスなどのWebリスクが顕在化すれば、企業の信頼性やブランド力が損なわれてしまう恐れがあります。今回の記事では、Webリスクマネジメントの必要性や方法について説明します。
Webリスクマネジメントは企業価値を高める
ビジネスを展開する上では、マーケットリスクやコンプライアンスのリスク、従業員の離職リスクなど、さまざまなリスクが存在します。
Webリスクもビジネスリスクのひとつで、企業にとって確実に脅威となります。被害が発生・拡大すると、企業の業績や長期的な成長に悪影響を及ぼしかねません。
ビジネスリスクを全く意識せず、何の対策も取っていない企業が、取引先や消費者から全幅の信頼を得られることはあり得ないでしょう。Webリスクと向き合い、適切にマネジメントできる企業こそがステークホルダーに信頼され、ひいては企業価値を高めることもできるのです。
企業が意識すべきWebリスクの種類
●SNS炎上
企業の取り組みや発信内容がSNSで炎上すると、多くのユーザーや消費者から批判を浴び、信頼性やブランド力に傷がつく可能性があります。
例えば、SNSの公式アカウントで不適切な投稿をした場合や、デマ情報などを拡散した従業員の身元が特定され、雇用先の企業にも非難が殺到するケースも考えられます。
もちろん、経営者や従業員がリアルな不正や不祥事を起こした場合、SNS上でも批判的なコメントが集中して炎上することがあります。
●情報漏洩
企業が管理する顧客・従業員の個人情報や事業活動に関する機密情報の漏洩も、無視できないWebリスクです。
漏洩のパターンとしては、社外からの不正アクセスやマルウェア感染といった外部要因と、従業員によるメールの誤送信や情報の記録媒体の紛失、不正な持ち出しといった内部要因があります。
特定の有名人の来店情報を店員がSNSに投稿してしまい、謝罪に追い込まれた企業もあり、これまで以上に適切な情報管理と漏洩防止の徹底が求められています。
●法的リスク
ネット上のクリエイティブやプロモーションにおける著作権侵害、個人情報保護法や景品表示法などの違反も、企業にとって大きなダメージを引き起こす場合があります。
近年は、生成AIを活用したクリエイティブも増えている中、生成AIが作成した他者の著作物と類似するコンテンツをそのまま世に出すと著作権侵害の問題が発生します。
●ソフト・ハードの不具合
ITシステムのソフト・ハードに不具合が生じ、データへのアクセスなどが不能に陥れば、企業活動がストップする恐れがあります。
その結果、顧客や取引先への対応が滞れば、企業の信頼性を毀損します。被害を最小限に食い止め、素早い復旧を図るためには事前の対策が重要で、災害によるシステムの停止時も事業を継続できる体制を整えておく必要があります。
Webリスクマネジメントに失敗した企業のダメージ
●集客・売上
Webリスクマネジメントに失敗した企業は、世間からの信頼が大きく損なわれます。もちろん、企業イメージの低下も避けられないでしょう。そうなれば、集客と売上は減少し、不渡りの発生を恐れる取引先に敬遠されてしまうかもしれません。社員が総出で苦情などの対応に追われることになれば、事業そのものに支障が生じる事態も懸念されます。
●株価
上場している企業は、自社の株価が下落してしまう恐れもあります。実際に、大きな不祥事を起こした企業を巡っては、今後の業績への悪影響が大きいと判断した投資家が自らの所有株を投げ売りし、一気にストップ安となる水準まで株価が落ち込んでしまったケースが存在します。
●採用活動
Webリスクを防ぐ手を打たなかったことで業績が低迷した企業は、求職者にとっても魅力的に映らないはずです。その結果、採用活動が停滞すれば、求人広告の掲載や人材会社への依頼にかかる費用がかさみます。人員が補充されず、既存の社員の負担が重くなると社内の業務効率や生産性は下がり、さらなる業績悪化を招くという悪循環に陥るかもしれません。
●人材流出
Webリスクマネジメントの能力に欠ける頼りない企業で働くことを避けたいと思うのは、求職者ばかりではありません。既存の社員も同様で、「このまま働き続けるのは不安」と感じる人が多くなれば、せっかく確保した優秀な人材が流出してしまう可能性が高まります。
●誹謗中傷・風評
Webリスクを引き起こしてしまった企業は、誹謗中傷や風評の被害に巻き込まれるかもしれません。エスカレートした批判は社員の士気を下げ、新規顧客の獲得や事業の継続・成長を阻害することとなりかねません。
Webリスクマネジメントの効果的な対策
●全社的な管理体制の構築
Webリスクマネジメントを成功させるためには、社内における専門部署の設置や、想定されるリスクに対する経営層・幹部の関与体制、指示・命令に関する責任の明確化が求められます。全社的な管理体制を整えておけば、各部門の連携も取りやすくなります。
とりわけ必要なのは、法務部門と広報部門の緊密な連携です。各部門の役割や経営層への報告体制といった連携マニュアルを定めておけば、よりスムーズに行動できるでしょう。
全社的な管理体制は継続的な評価と改善を行うと同時に、新たに懸念されるリスクがないかどうかも検討すれば、安心感が高まります。
●初動対応の手順を明確化
Webリスクマネジメントを成功させるためには、万一の場合に迅速かつ的確な初動対応を行える体制を整えておくことが重要です。「悪事千里を走る」ということわざがあるように、ネガティブな情報は瞬時に拡散します。初動対応が後手に回ってしまうと、自社のダメージが拡大しかねません。
初動対応に備えては、リスクが発生した直後の対応手順を明確にしておくことが重要です。「何が原因でWebリスクが顕在化し、どのような被害が出ているか、または懸念されるか」ということを迅速に認知・共有し、各部署が協力して対処する必要があります。設定した対応手順を確実に実行できるようにするためには、定期的なトレーニングが不可欠です。
●Web/SNSモニタリング
Webリスク発生の予兆となるネット上の書き込みなどを早い段階で発見できれば、具体的な対処方法を練り、実行するまでの時間を多く取りやすくなります。
リスクの早期発見に有効な対策は、自社に関する書き込みなどを常時チェックするWeb/SNSモニタリングです。
SNSの検索に慣れている従業員がいない、あるいは人員不足などで深夜や休日のモニタリングが不可能という場合は、チェックの抜け漏れが発生しやすくなります。Webリスクマネジメントに関する各種サービスを提供している専門会社に依頼すれば、モニタリングを請け負ってもらうことができます。
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siemple.co.jpWebリスクマネジメントのまとめ
どんな規模、業種・業態であっても、Webリスクと無縁の企業は存在しません。Webリスクの種類はさまざまで、リスクマネジメントに失敗した場合のダメージも多岐にわたる可能性があります。
いつ、どんなタイミングで発生するか予測できないWebリスクを遠ざけるためには、多面的な対策を行う必要があります。より高い効果を求めるのであれば、信頼できる専門会社のサポートを受けることをおすすめします。
シエンプレは、あらゆるWebリスクに備えた対策はもちろん、リスクが顕在化した場合も速やかな沈静化を図るサポートを提供します。身近に潜むデジタル・クライシス(危機)から自社を守りたいという場合は、ぜひご相談ください。
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