「別アカ」って何?企業が使う場合のメリットや注意点も説明
- 公開日:2025.03.21 最終更新日:2025.03.28

はじめに
XやInstagramなどのSNSでは、いわゆる「別アカ」を作るユーザーが多く見受けられます。別アカとはどのようなもので、何のために作るのでしょうか?企業が別アカを利用する場合のメリットや注意点とあわせて、詳しく説明します。
別アカの意味
別アカは「別アカウント」の略語です。同一のユーザーがメインで使うアカウントとは別に作るアカウントを意味し、「サブアカ」とも言われます。
別アカのうち、メインアカウントのフォロワーに知らせないまま使っているアカウントは「裏アカ」、限られた相手だけと繋がるために非公開としているアカウントは「鍵アカ」と呼ばれます。
特定の趣味や興味に関する情報の投稿に特化した「趣味アカ」、あらゆる事柄の情報を自由に投稿する「雑多アカ」など、使い方によって変わる呼び名もあります。
別アカの目的
SNSで別アカを作る目的として多いのは、自分のアカウントを趣味や告知などの用途に応じて使い分けることです。
SNSのアカウントは、普段は会わない人や知らない人とも繋がることができます。だからこそ、さまざまな人が投稿した文章、動画、画像などを楽しめる可能性があります。
しかし、自分のアカウントに身近な友達以外のフォロワーがいると、仲間内にしかウケないコンテンツやプライベートをさらけ出すようなコンテンツは発信しにくいでしょう。そんなとき、気心が知れた人としか繋がっていない別アカがあれば、一部の人だけに向けたコンテンツを気兼ねなく公開できます。
この他、別アカをメモ帳代わりに使う人や、ソーシャルゲームで複数のキャラクターを保有するために作成する人もいます。
企業が別アカを活用するメリット
●個別のターゲット層に合わせた情報を発信できる
SNSマーケティングに取り組んでいる企業であれば、複数のアカウントを利用することで、異なるターゲット層にピンポイントで情報を発信することが可能となります。
アカウントごとに年齢や性別、顧客特性などのターゲット層に特化した発信内容を投稿すると、さまざまな層に向けた情報が混在することを防ぎ、情報を受け取る客層を限定することができます。
●特定の商品やイベントごとにプロモーションできる
アカウントごとに特定の商品やイベントなどをプロモーションすれば、コンテンツごとの特色を際立たせることができ、それぞれの特色に興味を持つフォロワーの目を引きやすくなります。
また、特定の商品・ブランドのイメージに沿ったアカウントを戦略的に展開することで、商品・ブランドが持つカラーやメッセージをより明確に伝えることができます。
●投稿内容の質が高まる
各アカウントを管理・運用する担当者を分けて専門性を持たせれば、投稿内容の質が高まります。それぞれのアカウントで緊急の告知などが必要になった場合も、迅速に対応できるでしょう。
このように、複数のアカウントを『どのタイミングで何を発信するか』というスケジュールをあらかじめ立てることで、複数のアカウントを効率的に管理・運用しやすくなります。
別アカの作り方
別アカを作る際に必要なのは、メインアカウントで登録していないメールアドレスです。
メールアドレスはスマートフォンのキャリアメールだけでなく、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールを使うこともできます。
ただし、メインアカウントで登録している電話番号では別アカを作れない場合や、作成可能なアカウント数に上限が設けられている場合もあるため、プラットフォームごとの規約を確認しましょう。
企業が複数アカウントを管理する際の注意点
●パスワードの漏洩を防ぐ
SNSのアカウントは、ログイン時のパスワードが外部に漏れないよう注意しなければなりません。IDに使用できるユーザーネームは公開される情報でもあるため、パスワードが流出すると外部の人にログインされ、アカウントを乗っ取られてしまう可能性があります。
また、パスワードは容易に見破られないよう8文字以上とするのはもちろん、英語の大文字と小文字、さらには数字と記号をランダムに組み合わせることが大切です。電話番号やユーザーネームとは、全く関係のない文字を組み合わせてください。
また、パスワードを定期的に設定し直すと第三者に推測されにくくなり、セキュリティの強化に繋がります。
パスワードは、SNSの運用に携わる担当者が退職または異動したタイミングにも合わせて更新することで、元従業員からの情報漏洩リスクを低減できます。
●二段階認証を活用してセキュリティを高める
Instagramの場合は二段階認証機能を活用すれば、アカウントへの不正アクセスを防ぎ、セキュリティを高めることができます。
二段階認証は、パスワードなどを入力してログインしようとした際、SMS認証コードの文字列を入力しないとログインできないようにする機能です。SMS認証コードは、あらかじめ登録した携帯電話の番号に届きます。企業のアカウントを個人の電話番号と紐付けるのは情報管理のリスクを高めるため、法人名義の携帯電話番号を使いましょう。
不意のタイミングでSMSに認証コードが届いた場合、第三者にパスワードを知られたことがわかります。その場合、ただちにパスワードをリセットすれば、乗っ取り被害を防ぐことができます。
●投稿時のマニュアルを定めておく
投稿する画像やキャプションなどのマニュアルを定めておくことで、アカウント間の統一感を演出しやすくなります。
例えば、キャプションに含めるハッシュタグの数や、写真の色味・トーンを統一すれば、それぞれのアカウント同士のコンテンツに一体感が生まれます。
また、投稿間隔が空き過ぎてしまうアカウントが発生しないよう、各アカウントの投稿の頻度やスケジュールを決めておくことも大切です。公式アカウントがフォローするユーザーの基準や、コメント、DMへの対処方法についても、マニュアルやガイドラインを設けておくと良いでしょう。
●誤投稿をしない
複数アカウントを管理・運用する場合、最も気を付けなければならないのは、いわゆる「誤爆」と呼ばれる誤投稿です。
担当者が個人的な情報を企業の公式アカウントに投稿してしまうミスは、これまでも幾度となく発生しています。内容によっては、消費者からの信頼やブランドイメージを失墜させかねません。
誤投稿を防ぐために有効なのは、手元のデバイスが正しいアカウントにログインしているか、投稿前に必ずチェックすることです。そもそも、個人のスマートフォンやパソコンでの投稿は絶対に避け、専用のデバイスのみの使用を徹底するようにしましょう。
企業の別アカのまとめ
SNSで複数のアカウントを管理・運用する場合、注意しなければならない点は複数あります。ただし、企業にとっては効果的な情報発信などに繋がるメリットも存在します。
例えば、自社の商品にまつわる写真や動画を投稿してもらうための専用アカウントを開設すれば消費者の関心を引き、購買意欲も高められるでしょう。
もちろん、セキュリティ面の確保などについては一定の知識・ノウハウが求められますが、自信がなければSNSのリスク管理に長けた専門会社の知恵を借りることも可能です。
SNSマーケティングのリスクを避けつつ、高い効果を得たいと希望される場合は、信頼できるサポートを提供している専門会社への相談を、ぜひ検討してみてください。
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