企業のデジタルリスクとは?主な種類とリスクマネジメント方法を紹介
- 公開日:2024.11.15
インターネットやSNSの普及により、企業のデジタルリスクは増しています。リスクが現実のものとなれば、社会的信用の失墜やビジネス機会の喪失だけでなく、企業の存続が危ぶまれる事態にもなりかねません。今回の記事では、デジタルリスクの主な種類とリスクマネジメントの方法を紹介します。
デジタルリスクの主な種類
業種・業態、規模にかかわらず、デジタル技術を全く活用せずにビジネスを展開するのは今や不可能でしょう。業務の効率化やコストの削減、マーケティング活動など、デジタル技術が欠かせない局面は多岐に渡ります。
ただし、デジタル技術の活用には、さまざまなリスクが伴います。それらのリスクには、どのようなパターンがあるのでしょうか?
●個人情報や機密情報の漏洩
近年は企業へのサイバー攻撃が活発化し、ネットワークへの不正侵入により個人情報や機密情報が漏洩する事件が続出しています。
データを勝手に暗号化し、復元と引き換えに身代金を要求する悪質なランサムウェアの被害も多発。身代金を支払ったとしてもデータを盗まれ、オンラインに漏洩されるかもしれないという脅威が残ります。
また、特定の組織や個人に「マルウェア」と呼ばれる悪質なプログラムを添付したメールを送り付け、端末をマルウェアに感染させる攻撃手法も存在します。攻撃メールに添付されているファイルなどを開封すると、パソコン内のデータが破壊されたり、抜き取られたりする可能性があります。
さらに、従業員が職務上で知り得た顧客の個人情報をSNS上に投稿する、または企業内で管理している顧客のデータが盗まれてネット上に出回る事例も発生しています。
●システム障害
システム障害は、情報システムを構成する設備やソフトウェア、通信回線、ネットワークなどに何らかの原因で不具合が発生し、正常な機能を維持できなくなることを指します。
システム障害が発生すれば、企業のオンラインサービスが停止してしまいます。商品・サービスをオンラインで提供している企業は、顧客からの受注が不可能になります。当然ながら、顧客に不便を強いることになり、顧客離れが起こってしまう恐れもあります。
復旧まで長時間かかることもあるため、深刻なデジタルリスクとして認識しておかなければなりません。
●DXの失敗
データとデジタル技術を活用したDXも、デジタルリスクになり得ます。DXは、AIやIoTなどを用いて商品・サービス、業務工程などを変革し、自社の優位性を確立することが目的ですが、必ずしも成功するとは限りません。
DXによって目指す効果や、導入したシステムを使いこなす知識・スキルを持ち合わせていなければ、かえって業務工程が複雑になったり、作業量が増えたりすることがあります。
その結果、商品・サービスの品質や業務効率が低下すれば、業績自体に悪影響を及ぼしてしまいかねません。
●ネット炎上
企業の不祥事や、公式SNSなどの不適切投稿が原因で起こるのがネット炎上です。
炎上した事象の情報は拡散され、企業・ブランドイメージの毀損や、売り上げの減少などを招いてしまいます。さらに、採用機会の損失、株価の低迷などにつながる恐れもあります。
加えて、自社に関する根拠のない風評や悪評、誹謗中傷が書き込まれるリスクも発生します。
デジタルリスクの防止策
デジタルリスクが起こる可能性をゼロにするのは困難ですが、リスクをコントロールすることはできます。
効果的な方法は、以下の通りです。
●万全のセキュリティ対策
セキュリティ対策としては、ウイルス対策ソフトの導入や、自社の情報資産を安全に取り扱うための対策と実行手順を定めたセキュリティポリシーの作成などが挙げられます。
セキュリティ対策は常に最新の状態を整えるだけでなく、異常が発生した場合に素早く検知できる体制を構築しておくことも欠かせません。
●社内規程の策定
従業員が顧客の個人情報を漏洩すれば、企業も法的責任や損害賠償責任などを問われる可能性があります。
そのような事態を防ぐには、従業員に機密情報の保持に関する誓約書の提出を求めたり、情報管理に関する社内規程の策定・見直しを図ったりする方法が効果的です。
公式SNSを運用している企業は、投稿内容の事前チェック体制を整えておく必要があります。また、従業員の個人的なSNS投稿についても、ソーシャルメディアガイドラインなどの明確な規程を設けると良いでしょう。
●従業員教育の徹底
デジタルリスクマネジメントでは、デジタルリスクに関する知識や備えが不十分な新入社員やアルバイト従業員などに教育・研修を行うことが欠かせません。
従業員が問題意識を共有し、どのような情報の発信を差し控えるのかを理解しておくことは、デジタルリスクを回避することにつながります。
問題意識の共有には、どのような情報の発信を差し控えるべきかを理解してもらうことが重要です。従業員による情報漏洩やSNSへの不適切投稿などの実例を交えて教えることで、デジタルリスクを自分事として認識しやすくなるでしょう。
●非常時対応の体制構築
デジタルリスクが顕在化すれば、それ自体が不祥事として捉えられることがあります。そのため、デジタルリスクに関係するインシデントの発生時は、現場の担当者に事後処理を任せ切らず、組織を挙げて対応すべきです。
ネット炎上や情報漏洩が起こった際、社内で速やかに対処できるよう、対応する担当者や責任者を決め、裁量を与えておく必要があります。
対応マニュアルも整備し、さまざまなリスクの種類に備えた対応の手段や手順、外部からの問い合わせを想定したQ&Aのフォーマットや記者会見の実施方法などを確認しておきましょう。
まとめ
デジタルリスクの種類はさまざまです。臨機応変に適切な対応を取るのは容易ではありませんが、シエンプレはあらゆるリスクに対応する「危機対応支援サービス」を提供しています。
デジタルリスクのマネジメント強化をお考えの場合は、国内ナンバーワンの専門会社である弊社まで、ぜひご相談ください。