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高級寿司店の炎上事案から学ぶ第三者による情報発信の重要性

公開日:2024.03.21 最終更新日:2024.08.09

店舗型を中心としたBtoCのビジネスモデルでは、利用客のクレーム内容がSNSに晒されて炎上するケースが相次いでいます。対応を誤れば早期の火消しを図るどころか、SNSユーザーの反発を招いて事態を悪化させてしまいかねません。本記事では、有事の際に効果的な対応のポイントについて考察します。

SNS上で晒される消費者からのクレーム

SNS上ではここ数年、飲食店などの利用客が商品・サービスに対するクレーム内容を晒すケースが相次いでいます。
クレームの詳細がオープンにされると多くのSNSユーザーの正義感が刺激され、大変な騒動に発展してしまうかもしれません。
不手際やミスの「証拠」となる写真、動画のインパクトが強ければ、商品・サービスを提供した側への批判もより強いものになるはずです。

もちろん、投稿内容の書き方次第では、投稿者に対して、他のSNSユーザーから「やりすぎだ」といった反発を招くことがあります。
そのため、投稿する側のリスクもゼロではありませんが、クレームについて晒す投稿自体が完全になくなることはないと考えるのが自然でしょう。

不平不満や恨みなどを抱えた人は、自分にネガティブな感情を芽生えさせた相手を懲らしめることで溜飲を下げたいと考えがちです。
また、企業や店舗の失態を公表することで正義感を振りかざしたい、あるいは正義感に満ちた投稿を称賛されたいと考える人もいるでしょう。
SNSを使えば、すぐにそれらを実行できます。もし、客に対して「SNSには投稿しないでほしい」と圧力をかければ、それがまたSNS上で晒され、新たな炎上を招いてしまうことになるでしょう。

コストも手間もかけずに高い集客効果を期待できるSNSは、飲食業界のみならずBtoCのビジネスモデルに欠かせない宣伝ツールです。
しかし、外部から批判を浴びて炎上した場合は、自らのレピュテーションを貶めるツールになるという怖さも持ち合わせています。こうした場合は、どのように対処することが迅速な鎮静化に繋がるのでしょうか?
この記事で紹介するのは、炎上収束のポイントを考察する上で参考になる事例です。早速、経緯をたどっていきましょう。

「大将に殴られかけた」とのX投稿が拡散

2024年1月、東京都内の高級寿司店Aを訪れたという女性が、店との間に起きたトラブルについてX上に投稿しました。
「大将に殴られかけた」という衝撃的なポストは瞬く間に拡散され、2.8億回ものインプレッションを記録しています。
女性のアカウントでは、険しい表情で身を乗り出す大将に弟子がしがみつき、必死で止めているように見える写真が公開されました。強烈なインパクトを放つ写真の影響もあり、多くのSNSユーザーが大将の行動を批判したのは自然な成り行きだったと言えます。

ところが、その後すぐさま拡散されたのは、一般人やインフルエンサーがAに対して取材を行った結果分かったことに関する投稿でした。 メディアによる取材記事も掲載された中、当初は同情の声が多かった女性の主張について「情報が一方的すぎる」とAを擁護する声が急速に増えたのです。 第三者の取材によるこれらの投稿では、普段の営業中の様子を撮影した動画や、客としてわざわざ店を訪れて大将から直接聞き取った話の内容を報告するものも見られました。

今回の騒動で、大将自身は店のSNSアカウントでも反論や経緯の説明をしていません。 しかし、第三者の投稿や記事を通して大将の言い分が表に出始めた結果、「店に頼みごとをしたら大将が不機嫌になり、殴りかかられそうになった」という女性の主張とは食い違う部分もあることが分かったのです。
言うまでもありませんが、女性と大将の主張のどちらが真実かということは、当事者しか知り得ません。 なお、複数のアカウントから「当時の現場に居合わせた」と証言する投稿が行われましたが、メディアの取材内容からいずれも虚偽の可能性が高いとみられています。

今回の事案では、女性は本人が自らの言い分を主張したのに対し、大将はより公平で信頼性の高い第三者に代弁してもらう形になりました。その結果、多くの人が大将を擁護する意見に傾いたというわけです。
こうしてAに対する批判が収まったことで一連の騒動に関する投稿件数も減り、炎上は間もなく鎮静化しました。
もし、大将が自ら反論していれば事態はさらに混迷し、全く違う展開になっていたかもしれません。

情報の切り取りや収益狙いの投稿で炎上を仕掛けられる恐れも

今回の事象を総括して見えてきたのは、SNS上の情報は一部を切り取られて炎上してしまう恐れがあるということです。そのため、一つひと言動に細心の注意を払わなければなりません。

炎上の発端となった女性の投稿も、被害者としての一方的な主張に加え、大将が殴りかかろうとしているかのような写真まで掲載されたことがAに対する批判の原因となりました。

しかし、大将は一般人やインフルエンサーなどの取材に応じ、自らの非を認めた上で事象の経緯を説明しています。その姿勢がSNSユーザーに支持され、好意的な反応をより多く勝ち取ることに繋がりました。

第三者による客観的な発信が受け入れられたという結果からは、炎上被害を最小限に食い止めるためにはファンをつくっておくことが大切だとよく分かります。

また、Xの仕様変更でインプレッション数が収益化されるようになった現在は、多くの人の目を引くことだけを目的とした投稿が増えていることも事実です。

このような状況では、目立ちたいという一心で誤った情報を拡散させることもあります。自社や自店が巻き込まれた場合は、論調を注視しながら対応を検討しなければなりません。

炎上時と事後のサポートを網羅する「危機対応支援サービス」

クレームなどのSNS投稿が引き金となる炎上リスクや、発生時のダメージをゼロにすることは困難です。

しかし、炎上をはじめとするデジタル・クライシス対策のパイオニアであるシエンプレは、真摯に事業に取り組む企業の皆様をネット上のさまざまなリスクからお守りします。

炎上を未然に防ぐ上で最も費用対効果が高い手法は、平時からの目視とツールによる「Web/SNSモニタリング」です。対応優先度まで整理してクライアント企業の担当者様にご報告するため、担当者様の負担を軽減できます。 さらに弊社が提供しているのは、業界最高水準の「危機対応支援サービス」です。クライアントの内部で不祥事が起きたり、企業が何らかのトラブルに巻き込まれたりしてネット上で批判が出た、あるいは出る危険性が高まったという場合に、必要な緊急対応を包括的にサポートします。 ネット上の口コミやニュース記事などを幅広く収集し、ネガティブとポジティブの論調を正確に把握した上で、想定されるリスクを導き出すことが可能です。

その上で、マスコミ対応やニュースリリースのライティングなども全面的に支援します。提携会社と連携した緊急窓口のコールセンター立ち上げや、マスコミ向け記者会見のセッティング・運営も、遠慮なくお任せください。 検索エンジンで表示される顧客企業の関連キーワードも監視し、不適切な語句がヒットした場合も速やかに鎮静化できるので安心です。

さらに、事態が落ち着くまで(通常は3日間〜1週間)は、ネット上の投稿やネットメディアの動きを徹底的にモニタリングし、論調などの細かい変化についても逐次ご報告します。 刻一刻とトレンドが移り変わる炎上のリスクを日常的に避け、非常時も適切な対応を取り続けるためには、十分な経験によるデータの蓄積と先を見通す知見を駆使した的確な判断が欠かせません。 もはや必須となったデジタル・クライシス対策の導入・強化をお考えの場合は、累計6,000社を超える国内ナンバーワンの取引実績と、中央省庁からも業務を受託している高い信頼性、豊富なノウハウを誇る弊社に、ぜひご相談ください。

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