流出だけではない。SNSは「個人情報」に溢れている
- 公開日:2018.10.01 最終更新日:2022.10.11
※この記事は雑誌『美楽』2018年10月号の掲載内容を転載しております。
2018年9月28日、アメリカのとあるSNSで約5000万人分の個人情報が流出した恐れがあるとして問題になりました。
今回の流出事件を契機に、SNSにおける個人情報の管理を見直した方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、アカウントのIDやパスワードなど分からなくとも、SNS利用者の投稿をたどることで、氏名、住所、出身地といった個人情報を分析できる場合があります。
例えば、従業員のSNS投稿によって損害を受けたという企業から相談を受けたとき、当社はその従業員の投稿から次のような情報を探します。
1.アカウント名
本名を元にしていることが多く、SNSによっては趣味や嗜好を明記していることもあります。
2.身体的特徴
身体的特徴が分かれば、集合写真からでも投稿者を特定することが可能になります。また、身長と体重から性別を予想できることがあります。
3.鉄道路線や国道の名前
投稿者の生活範囲が予想できます。企業名に照らして勤務地が特定できることもあります。
4.地域の祭りや花火大会の写真
その地域のランドマークが写り込んでいることがあります。また、神社や山車などに地場の企業名が記載されている場合、投稿時のコメントと合わせて住所や出身地を特定できることもあります。
5.自家用車の写真
ナンバープレートが写っていることがあります。「使用の本拠」から居住地域が予想できます。
一つひとつの情報だけでは個人特定には至りませんが、このように複数の手がかりを組み合わせることで投稿者の本名や住所などを分析することが可能です。
昨今、SNSに投稿した情報から身元を特定され、痛ましい事件に巻き込まれるというお話をよく耳にします。読者の皆さまの中には、本名や住所を投稿していなければ大丈夫だとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、投稿者本人が気づいていないだけで、実は個人情報の手がかりが含まれているという投稿は珍しくないのです。SNSに投稿する際は、個人情報につながる内容がないかよくよく注意する必要があります。