「暴露系」インフルエンサーが狙う企業の炎上。SNSの火種を放置してはならない!
- 公開日:2023.05.19 最終更新日:2023.12.06
※当記事は「Twitter」当時の内容となります。
SNS上ではメディアを凌駕するほどの影響力を持つインフルエンサー。とりわけ大きな反響を集めているのが、他のユーザーからのタレコミなどを取り上げて大きな話題を巻き起こす「暴露系」の人たちです。企業を狙った炎上から自社を守るためには、どんな備えが必要なのでしょうか。実際に起こった事例などをもとに、被害を防止・抑制するためのポイントを考察します。
目次
第三者のSNSユーザーが不満投稿を通報
近年、SNSのインフルエンサーが、ユーザーの不満をとりまとめた投稿を行い、炎上に発展するケースが相次いでいます。
ターゲットとなるのは、企業や経営者などのコンプライアンス意識に欠けた言動です。炎上の予兆となるネガティブな事象がSNSに投稿されて日数が経過した後、インフルエンサーが取り上げたことから炎上に至るというパターンが多く見られます。
一般ユーザーがSNS上で投稿した不満を第三者がインフルエンサーに通報して炎上することが多いものの、インフルエンサーが拡散させた情報をメディアがキャッチして報道した結果、世論を巻き込む大騒動に発展してしまうことも珍しくありません。
高額な電気料金への苦情が炎上に発展した新電力会社
例えば、2016年の電力自由化で誕生した新電力会社のひとつであるA社も、インフルエンサーの投稿で炎上に火が付いた事案です。
世界的にエネルギー価格が高騰する中、A社の電気料金が跳ね上がったことが原因でしたが、事前に説明がなかったため、高額請求に対する契約者たちの不満の声は2023年2月15日から、SNS上の投稿で複数見受けられました。
「暴露系」と呼ばれる著名なインフルエンサーが、こうした声を取りまとめてTwitterに投稿したのは3月15日のことです。
拡散傾向の強いネガティブな声はあっという間に広がり、A社は炎上の渦中に放り込まれました。
A社は2月の時点でSNS上などの苦情を認知し、ホームページで料金や解約の仕組みについて説明していたのは確かです。
しかし、料金請求や返金対応の一貫性に欠けていたため、不満の声を解消するまでには至りませんでした。
インフルエンサーの投稿はピーク時で1日約1億1000万回もの表示回数を記録。A社に対する契約者からの問い合わせやクレームも急増しました。
影響はLINEオープンチャットにまで
インフルエンサーの投稿後、A社はさらなる説明と謝罪を行いましたが、ユーザーの動きはLINEオープンチャットにも拡大。匿名性が高い環境で、利用者同士の緊密な情報交換が行われる状況が活発化しました。
企業が顧客やメディアに対応しながら、Twitterのみならず複数の媒体の論調を把握しようとするのは非常に困難です。
4月5日には、A社の社長の知人を名乗る人物がTwitter上に登場。自分も高額請求の被害者であることを明かした上で「逃がさんぞ」などと書き込み、本事案への注目度が再び高まることとなりました。
ネット上にネガティブ情報が残っている限り存在するリスク
このように、ネガティブな投稿があった直後はさほど大きな批判は露見されなかったとしても、義憤に駆られたインフルエンサーがあとから取り上げたことで、瞬く間に炎上状態に発展した事案は枚挙にいとまがありません。
SNSなどインターネット上に自社のネガティブ情報が残っている限り、そうしたリスクが存在しているということになります。
第三者のリークなどでインフルエンサーの目に留まることになれば、いつ取り上げられ、世間のバッシングを浴びることにならないとも限りません。
炎上時に情報が拡散される先もTwitterだけではないため、有事に備えてはモニタリング体制を含めた対応を想定・準備しておくことが極めて重要です。
売り上げ、採用…炎上企業の機会喪失は避けられない
ここで、企業にとって興味深いデータをご紹介しましょう。
一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所が「デジタル・クライシス白書2023」で公表した2022年の調査では、著名人や一般人を除いた法人などの炎上は年間555件発生しました。
1日当たりに換算すると1.5件で、毎日1、2社の炎上が発生していることになります。しかも、そのうち約6割はさまざまなメディアで放送・記事化され、衆目に晒されているのです。
さらに、炎上をきっかけに「商品の購入を停止・再検討した」「サービスの利用を解約・再検討した」という消費者は全体の3割に及び、「(購入・利用の)優先順位が下がった」とした答えを含めると6割に上ります。
また、炎上した法人などに対して「採用選考への応募を取り止めた」「選考中だったが、次回の面接を辞退した」と答えた人は4割近くを占め、「(入社に対する)志望度が下がった」という回答を含めると、ほぼ7割に達することが分かりました。
こうしたことから分かるのは、企業にとって炎上は単にレピュテーションを傷付けるだけのものではないということです。売り上げや人材など、かけがえのないリソースが奪われるに等しい重大なインシデントと捉えるべきでしょう。
退職した従業員に不衛生な店舗環境をTwitterで告発された飲食店のフランチャイザーは、株価が大暴落しました。この事案もインフルエンサーやまとめサイトが元の告発投稿を取り上げたことで、炎上が一気に加速したケースです。
有事の対応の悪さに反感を持たれれば「他にも何か不都合なことを隠しているのではないか」と粗探しをされ、過去にさかのぼって大なり小なりの不始末などが次々と掘り返されることもあります。
そうして「炎上しやすい企業」のレッテルを貼られ、「またか」という印象を持たれれば、事業の継続に支障を来しかねない状況からいつまでも抜け出せないままになってしまうのです。
速やかに火種を察知して収束させる危機対応支援サービス
シエンプレが提供している「危機対応支援サービス」はインターネット上の口コミやニュース記事などを収集し、ネガティブかポジティブかという論調を把握します。これを通じてインターネット上の動向を分析することで、今後のリスクの度合いを診断します。
非常時には、緊急窓口のコールセンター立ち上げやマスコミ向け記者会見のセッティング・運営、プレスリリースのライティングサポートといった全ての対応を提携会社と連携し伴走支援します。
さらに、事態が落ち着くまでの間もインターネット上の投稿やネットメディアの動きをモニタリングし、あらゆる変化を見逃さずに報告します。
検索エンジンはリアルタイムで汚染される恐れがあるため、関連キーワードは常時監視し、不適切な語句がヒットした場合は速やかに鎮静化させます。
ネット炎上のリスクを遠ざけ、有事の対応も誤らないようにするには、十分なデータと専門的な知見に基づくスピーディーかつ的確な判断が欠かせません。
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