「炎上する」とは、どういう意味?知らないと危険なデジタルリスク
- 公開日:2024.10.31 最終更新日:2024.11.05
目次
はじめに
ここ数年、テレビの情報番組などでもよく見かけるようになったのが、「炎上」という言葉です。「炎上」には、SNS上などでの非常識な言動が物議を醸し、大きな騒動に発展するというイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、その定義などを明確に認識している人は、意外に少ないかもしれません。
本記事では、「炎上」の意味やメカニズムについて説明します。
ネット上で、非難や中傷が多数届く現象
2017年10月、10年ぶりに改訂された広辞苑では、「炎上」という言葉に新たな意味が付け加えられました。それが「インターネット上で、記事などに対して非難や中傷が多数届くこと」という記述です。
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授(経済学)の定義によると、「炎上」は企業・団体や個人などの事物が発言した内容、行った行為について、ソーシャルメディアを中心とする媒体上で概要が掲載・拡散され、その後に批判や非難が殺到する現象を指します。
また、シエンプレが運営する一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所では、当該事案に言及した投稿が100件以上発生する状況を「炎上」としています。
2023年は月平均131.9件の「炎上」が発生
同研究所がまとめた「デジタル・クライシス白書2024」では、2023年の1年間に起こった「炎上」の件数は前年より13件多い1,583件に上りました。毎月131.9件のペースで発生した計算で、2024年も同様の勢いが続いています。
「炎上」が増えている背景としては、今や日本人の大半がスマートフォンを利用し、いつでもどこでもネット上での情報の取得と発信が可能になったことが挙げられます。
つまり、著名人やインフルエンサーのように強い発信力を持たない人でも、SNSを利用すれば、思ったことを自由に投稿できます。それらが簡単に拡散されてしまう環境が、予期せぬ「炎上」を生むリスクを高めていると言えるでしょう。
「炎上」の主体は著名人より一般人の方が多い
誰もが「炎上」に巻き込まれる可能性が高まっている状況は、「デジタル・クライシス白書2024」のデータにも表れています。2023年における月平均の発生件数を見ると、「炎上」の主体は著名人が42.9件だったのに対し、一般人は43.9件に達しました。過去5年間の白書の調査で、一般人が著名人を上回ったのは初めてのことです。
さらに、炎上原因となった問題行動を起こしたのも、一般人が33.3%と最多でした。問題行動については、特定の層を不快にさせるような発言・行為に該当する事案が最も多い傾向が続いており、2023年の月平均発生件数は前年比9.5件増の101.2件に上りました。
「バイトテロ」に「客テロ」…不適切動画などが過激化
Xを中心としたSNSのプラットフォームで拡散され、掲示板やまとめサイト、動画サイトなどで物議を醸した事案は、速報性に優れたマスメディアやWebメディアでも批判的に取り上げられる流れが定着しています。その上で、社会規範や法律を大きく逸脱した事案に関しては、「炎上」に至るまでのスピードが加速しています。
多くのメディアが「炎上」を取り上げるようになった理由には、バイトテロや客テロに見られるような不適切動画などの内容が過激化し、反社会的なインパクトを増していることが挙げられます。コロナ禍を機に顕在化したSNSユーザーの「不寛容さ」もエスカレートする中、過去の言動を含めた新たなネガティブ情報が繰り返しバッシングを浴びることもあります。
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siemple.co.jpリークカルチャーとインフルエンサーが台頭
「炎上」のきっかけとなる事象は、さまざまです。情報漏洩や各種の不正行為、暴力・暴言などはもちろん、社会的弱者に分類されるマイノリティーをはじめとする特定の層を不快にさせる差別的な言動も炎上を引き起こす可能性があります。
近年は、バイトテロや客テロに加え、従業員の内部告発から炎上に発展する事案、企業の内部関係者が社外に情報を持ち出した事案などが「炎上」を引き起こしています。また、ジェンダー差別、生成AIを活用した企業クリエイティブを取り巻く事案なども目につきます。
ひと昔前なら、メディアに報じられなければ、炎上事案はさほど拡散しませんでした。しかし、現在はSNSやネットを通したリークカルチャーが広がり、インフルエンサーによる拡散力も格段に増しています。商品・サービスの欠陥や社内の不祥事など、世の中に広く知られていない場合でも、あっという間に暴露され、拡散されてしまうリスクが高まっています。
まとめ
「炎上」に巻き込まれるリスクをゼロにするのは困難で、予防と対策を常に講じておくことが不可欠です。「炎上」によって企業に関する風評被害が拡大してしまえば、事業経営に欠かせない信用を失ってしまうかもしれません。もちろん、失った信用を回復させるためには、膨大な手間と時間を費やす必要があります。
デジタル・クライシス(危機)の専門会社は、さまざまな要因で発生する「炎上」のメカニズムや毎年のトレンドに精通し、万一の事態を未然に防ぐためのスキルを持ち合わせています。不測の事件・事故などで突発的な「炎上」が発生した場合も適切な対応を取り、速やかに収束させるノウハウを持っています。
慎重かつ迅速な対応が求められるデジタル・クライシスに、自社だけで向き合う必要はありません。「炎上」に備えた包括的な危機管理対応は、国内初の専門会社であるシエンプレが支援いたします。まずは、お気軽にご相談ください。
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