「デジタルタトゥー」とは?悲惨な事例をもとに危険性を紹介
- 公開日:2024.11.08
目次
はじめに
SNSなどに不適切な文言や動画・画像を投稿したことが原因で、その後の人生にも悪影響を及ぼしてしまう「デジタルタトゥー」の被害に遭う人が後を絶ちません。就職や転職、結婚などのライフイベントを安心して迎えるためにも、「デジタルタトゥー」の恐ろしさなどについて理解を深めておく必要があります。今回の記事では、「デジタルタトゥー」の意味や注意点などを紹介します。
タトゥーのように消せないデジタル情報
「デジタルタトゥー」という言葉は、ネット上に書き込まれたコメント、あるいはアップされた動画や画像が、なかなか消せない「タトゥー(入れ墨)」のように残ってしまうことを意味します。
実際に、ネット上の情報は一度拡散されると完全に消去するのは困難です。投稿を削除したとしても、スクリーンショットやキャプチャで保存している人がいる限り、拡散する可能性をゼロにすることはできません。
「デジタルタトゥー」と「デジタルフットプリント」との違い
「デジタルタトゥー」と似た言葉に、ネット上に残る情報を表す「デジタルフットプリント」がありますが、両者の意味は大きく異なります。
「デジタルタトゥー」は本人の意思を問わず、ネット上に残り続ける情報のことで、就職や結婚などにマイナスの影響を及ぼすリスクが懸念されます。
これに対し、「デジタルフットプリント」は、本人の意思に基づきネット上で公開された情報を表し、仕事の業績や自身の能力、プライベートの活動をPRしたり、新たな人脈の開拓などに活用したりする目的があります。
「デジタルタトゥー」の種類は4つ
代表的な「デジタルタトゥー」としては、個人の名前や住所、電話番号、メールアドレス、所属する学校や勤務先などが挙げられます。これらが第三者に入手され、ネット上に流出してしまえば、本人はもちろん、家族や学校、勤務先なども嫌がらせや誹謗中傷などの被害を受ける可能性があります。
「デジタルタトゥー」のパターンは、以下の4つに大別されます。
このように、自分に非がない情報や他者が公開した情報も「デジタルタトゥー」になってしまう可能性があります。
ラーメン店で迷惑行為…男性客がたどった悲惨な末路
とりわけ、「バイトテロ」や「客テロ」が相次いでいる近年は、「自分に非がある情報を自分で公開したもの」が「デジタルタトゥー」になってしまうケースが目立ちます。
実際に、2024年1月には、北海道内のラーメン店を訪れた若い男性客が、テーブルに置いてあった水差しの蓋を舐めている迷惑行為の動画がSNS上で拡散しました。しばらくすると、この男性が通っていた専門学校がネット上で特定されてしまい、騒ぎに巻き込まれた学校側は、男性を退学処分としたのです。
さらに翌2月、男性は威力業務妨害の容疑で警察に逮捕され、成人だったことから実名で報道されました。ネット上に残っているそれらの記事もまた、男性にとっての「デジタルタトゥー」となってしまうでしょう。
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「デジタルタトゥー」が引き起こした悲惨な事例は、枚挙にいとまがありません。先に記したように、一度拡散された「デジタルタトゥー」を完全に消すことは非常に困難です。そのため、当事者にいつ、どんな不利益が生じるかもわかりません。
従業員が「デジタルタトゥー」を背負うことになれば、勤め先の企業にもネガティブなイメージや風評が植え付けられてしまうことになります。
事実、個人アカウントでのヘイト発言が大問題になり、投稿者の勤務先が特定されて炎上し、最終的にはその企業が謝罪に追い込まれたケースもあります。個人の不適切投稿が企業に飛び火して拡散する事例は、これまでも多数発生しています。
「デジタルタトゥー」を防ぐには、一人ひとりがネットリテラシーを高めなければなりません。「不適切投稿は、個人にも企業にも深刻な損害を生みかねない」ということを共通認識として従業員に持たせることが、自社の価値や信用を守ることに直結するのです。
まとめ
ネットリテラシーを高める上で効果的な手段に、「デジタルタトゥー」の危険性を自分事として受け止めてもらうための研修があります。また、従業員がどのようにSNS、ソーシャルメディアを利用するべきかというガイドラインも策定しておくと、より効果的です。企業にとっても、炎上のリスクシナリオをしっかりと描くことで、従業員の不適切投稿からの飛び火に対応する準備を整えることができます。
最近は、社内規程などとは別にSNS投稿などにおける個人情報の取り扱いを含めた誓約書を提出させる企業も増えています。法的拘束力が脆弱なことは否めませんが、誓約書を求めることで社員の自覚を促せるのがメリットです。
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