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今こそ考えるべきデジタル・クライシスの話(5)

公開日:2019.10.01 最終更新日:2023.06.16

※この記事は雑誌『美楽』2019年10月号の掲載内容を一部修正の上、転載しております。

7月上旬、ショッピングセンターAが公開した動画に対してネット上で批判が集まりました。

問題の動画は「#ひんやり浴衣で #釣り」というタイトルで、浴衣での磯釣りを推奨するかのような内容でした。これに対し、SNSでは軽装で磯釣りを行う危険性を指摘する投稿が続出。結果的に、ショッピングセンターAは問題の動画を削除することになりました。

本件において、「安全性」への配慮が欠けているという指摘はもっともです。しかし、どうすれば広告の公開前に気づけたのでしょうか。

弊社がツイッター上の投稿を独自に分析したところ、2019年6月中に投稿された、「炎上」というワードを含むツイートは4191件ありました。

そのうち、実際に「炎上」していた企業は59件に及び、さらにその中の28件は上場企業でした。これは毎日約2件の企業が「炎上」している計算です。

自然災害と同様、デジタル・クライシスはいつ発生してもおかしくありません。だからこそ、対策は発生する前提で立てておくべきです。

しかし裏を返せば、デジタル・クライシスの事例が増えるということは、どのような対応をすればデジタル・クライシスが起きにくいのか判断がしやすくなるということでもあります。

実際、弊社では、豊富な実績を頼りにクリエイティブチェックのご相談をいただく機会が増えております。

クリエイティブチェックとは、広告やデザインにおける成果物が、公開あるいは納品する作品として適切かを確認することです。顧客の広告がデジタル・クライシスを引き起こすものか、引き起こす可能性があるのであればどのように編集すべきかというご相談をいただいております。

例えば、いまSNSでどのような事象が批判を受けているのか、公開当時には称賛された広告が、時を隔てて批判を受けるリスクはないか、公共設備の注意書きにどのような表現を使用すべきかなど、ご相談の内容は多岐に渡ります。

多くの企業様が、発信する情報に不安を抱えていらっしゃるのだと日々実感しております。

Web4・0時代に向け、デジタル・クライシス対策カンパニーが果たすべき役割はますます重さを増しております。我々はサービスの品質向上により、情報社会の功罪により混沌とするデジタル領域を照らしてまいる所存です。

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