炎上した企業には何が起こる?炎上する理由や被害の防止策も解説
- 公開日:2024.12.13
ネット炎上が発生すると、その原因をつくった当事者には、多くの批判が浴びせられます。企業が炎上に巻き込まれてしまった場合、その後の事業活動などにどのような影響が生じるのでしょうか?炎上を招く理由や被害の防止策とともに解説します。
企業が炎上する主な理由
企業が炎上するきっかけは、主にネットユーザーや消費者の怒りを買う行為です。法律や社会規範を逸脱した不正や不祥事、不適切な言動などが該当し、商品・サービスや顧客対応の不手際が発覚した場合も炎上する可能性があります。
また、公式SNSからの発信やクリエイティブの内容に、性別や人種、宗教などの差別や偏見、あるいは配慮不足の要素が混じっていると認識された場合も、ネットユーザーや消費者から告発されて炎上するリスクが高まるでしょう。
これらのネガティブな情報がSNS上で一気に拡散し、企業への批判が高まれば、ニュースサイトやマスメディアで取り上げられることもあります。そうなると、炎上はさらに拡大し、より長期化することも考えられます。
企業が炎上するとどうなる?
●集客と売り上げの減少
炎上した企業は、世間からの信頼を大きく損なってしまいます。当然ながら、企業イメージの低下も避けられず、客足が遠のき、売り上げは減少するでしょう。また、取引先からの信頼が失われたり、社員が総出で苦情などの対応に追われたりすることになれば、事業そのものを継続できなくなる事態も懸念されます。
●株価の下落
企業が炎上すると、ブランドのイメージダウンにつながるだけでなく、株価にも大きな影響を与えることがあります。実際に、大きな不祥事が明るみに出た企業の場合、業績への影響が大きいと判断した投資家が保有株を「パニック売り」し、ストップ安の水準まで株価が急落してしまった事例も存在します。
●採用活動の停滞
求職者の立場で考えれば、「ネガティブなイメージにまみれた企業では働きたくない」と思うのが一般的な感覚でしょう。採用活動が停滞すれば求人広告の掲載や人材会社への依頼にかかる費用がかさむだけでなく、既存の社員の業務負担が重くなり、最悪の場合はプロジェクトの頓挫を引き起こす可能性もあります。
●人材の流出
「ネガティブなイメージにまみれた企業では働きたくない」と思うのは、既存の社員も同じです。自社に対する世間からの風当たりが強まれば、自らの仕事や職場に対する自信と誇りは揺らぎ、働く意欲が削がれるでしょう。「こんなに評判の悪い会社は嫌だ」という空気が広まれば、業績に貢献してきた優秀な社員が離職してしまうかもしれません。
●誹謗中傷・風評被害の誘発
炎上した企業に押し寄せるネガティブな書き込みは、批判がエスカレートした誹謗中傷や、根も葉もない風評被害を誘発する恐れもあります。ネット上の書き込みは事実無根の内容であっても対処をしなければ残り続けてしまうため、新規顧客の獲得や事業の継続・成長に支障を来しかねない重大な問題となります。
炎上被害を食い止めるために必要なこと
●初動対応のフローを想定しておく
炎上してしまった場合は、初動対応がものを言います。なぜなら、SNS上の投稿は簡単に転載できるため、情報が瞬く間に拡散してしまうからです。
まずは、炎上した原因と理由などの事実関係を迅速に把握することが欠かせません。その上で、事実関係が複雑で調査に時間がかかりそうな場合などは、事実確認と今後の対応の検討を継続している旨をアナウンスしておいた方が良いこともあります。
炎上の原因が自社のSNS公式アカウントなどで発信したコンテンツか、外部からの告発か、あるいは自社や社内の関係者による不祥事かでも、とるべき対応は異なります。自社に非があるかないかでも変わってきますので、さまざまなケースを想定した対応フローを想定しておくべきでしょう。
●社内の連携マニュアルを整備する
一方で、初動対応は単に素早ければ良いというものではありません。SNSなどの担当者や炎上案件に関係する部署がバラバラに動くのではなく、社内全体で炎上の経緯を認知し、各部署が協力して対応していく必要があります。ネットユーザーの反応もよく確認した上で、対外的な説明・謝罪を含めた対応策を決める必要があるでしょう。
ただし、炎上を招いた事象について自社に法的な責任がないとしても、それだけを強調すると反発を招く恐れがあります。反対に、法的な責任を置き去りにして自社の主張だけを繰り返しても、世間には納得してもらえません。
もちろん、炎上のもとになった公式SNSのコンテンツを慌てて削除してしまうと、ユーザーやフォロワーに「問題を隠ぺいしようとしている」と思われ、余計な反感を買ってしまいます。自社を非難するコメントや根拠のない書き込みの内容に腹を立て、感情的に反論してしまう行為も、火に油を注ぐだけでしょう。
適切な対応には法務と広報の視点が重要で、両部門の担当者にはしっかり連携することが求められます。社内の報告体制や各部署の役割といった連携マニュアルを定めておけば、炎上を検知した後の行動がより冷静かつスムーズになるはずです。
まとめ
組織の規模や業種・業態を問わず、「炎上とは無縁」と言い切れる企業は存在しないと言っても過言ではありません。そのように聞くと、企業にとって公式SNSでの発信などは「リスクがある」と感じてしまうかもしれませんが、大きな拡散力を持つSNSマーケティングを上手に活用すれば、自社の商品・サービスを最大限にアピールできるのも確かです。
ただし、そうしたメリットを最大限に活かそうとするなら、予期せぬ炎上の被害を最小限に食い止めるためのマニュアルなどを整備しておく必要があります。専門の対策会社に協力を仰ぐことも考慮した上で、万一の場合の備えを充実させましょう。
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