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面談プラットフォーム運営会社の事案から学ぶ、企業がすべき正しい炎上対応とは

公開日:2023.03.01 最終更新日:2024.03.21

※この記事は雑誌『美楽』2023年3月号の掲載内容を転載しております。

2022年11月、カジュアル面談プラットフォームを運営するA社が炎上する事案が発生しました。炎上の発端は、同社の社員から強制わいせつを受けたという女性によるTwitterでの被害の告発でした。社員がプライベートで起こした不祥事であるものの、企業がその後の対応を誤ったことにより、一度の炎上のみならず、二次炎上、三次炎上と炎上が連鎖する結果となってしまったのです。

女性のツイートが拡散され、炎上した翌日、A社の社長は個人のTwitterアカウントで謝罪を行いました。しかし、性犯罪の可能性がある社員の行為に対し、「軽率な行動」と表現したことに批判が集中。さらなる炎上を招いてしまったのです。また、数日後に公式サイトに謝罪文をリリースすると同時に再度、社長が個人のTwitterとnoteに投稿。この投稿には「事件性はない」「解決に向かっている」と記されていました。しかしその直後、被害に合ったとされる女性が「A社側の弁護士に脅され、強制的に示談にさせられた」とツイート。女性がA社の対応に納得していないことが明らかになったのです。これにより、投稿直後は「この対応をこのスピードでできたのはすごい」といった、社長への賛同の声もあったものの、再び炎上。さらには、運営するサービスの脆弱性を指摘されるなどの「飛び火炎上」が発生しました。

このような連鎖炎上を回避するために、企業がすべき対応は2つあります。1つ目は「社長や社員が個人で炎上に関する見解を述べないよう、社内で徹底させる」ということです。今回の事案のように、社長が個人アカウントから会社としての見解を発信することで、責任の所在が不明瞭となります。関係者であっても発信を控えてもらい、情報の出どころを1つに統一することで、混乱を招かないようにすることが重要といえるでしょう。2つ目は「発信内容を慎重に吟味し、情報を迅速かつ誠意を持って伝える」ということです。問題が解決してからリリースを出したいと考えるのは当然ですが、炎上時は世間が注目している状態です。静観が長ければ長いほど、対応の遅さを指摘する声も挙がってしまうため、1回のリリースで全てを解決しようとせず、出せる情報からすぐに伝える姿勢が大切です。また、相手がいる場合は、早期の解決を急ぐのではなく、しっかりと双方が納得するよう事態を解決させることが先決といえるでしょう。

今回の事案のように、一度炎上してしまうと飛び火炎上を回避することは困難です。飛び火によるさらなる炎上を回避するには、どのような内容を指摘されるかを想定した上で危機対応の準備を行う必要があります。そのためには、平時からのモニタリングを実施し、常に自社のユーザーの声を把握しておくことが重要です。

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