Web/SNSモニタリング
SNSが隆盛を誇る昨今、「炎上」はいつ自社で起こるか分からない現象です。その原因は多様化していますが、迅速に対策をとることが非常に重要な点は共通しています。そこで弊社では、次のよう...
今回ご紹介するのは、ペット関連商品の製造・販売をするE社でのネット炎上への対応事例です。E社で販売しているペット向け薬品を摂取した動物が異常行動を起こすというX(旧:Twitter)上でのツイートが発端となり、インフルエンサーや獣医によってリツイートされたことで、一気に拡散し、炎上が発生しました。また、一連の炎上に便乗する人々も出てくるなど、収拾がつかない状況になったことを受け、炎上真っ只中にシエンプレに依頼がありました。
シエンプレでは、すぐに炎上対策プロジェクトを発足させ、調査を開始。事実関係の把握や拡散状況の分析などを行い、問題を特定した上で、先行事例の研究を元に対策を実施しています。迅速にプレスリリースを出し、アンケートの活用や専門誌に掲載された質問への回答などを通して事実を明確にすることで、早期の鎮静化へと導くことに成功しました。本プロジェクトにおいて炎上収束を成功させたシエンプレ担当者に、当時の対応を振り返ってもらいました。
E社はペット関連商品の製造を行い、ホームセンターなどを通じて販売しています。E社が提供する薬品は獣医の処方箋を必要としない手軽さから広く流通しており、ペット愛好家からも長く愛用されています。
炎上の発端はある一般ユーザーのツイートでした。E社が提供するペット用の害虫駆除薬品を摂取した動物が異常行動を起こしたという主旨のツイートが発信され、一部のペット愛好家の間、この情報が拡散されました。さらに、市販されている動物用医薬品に否定的な意見を持つインフルエンサーや獣医がE社の製品を批判する形でリツイートを行ったところ、それが一気に拡散され、万単位でのリツイートが行われました。拡散されている中には同様の被害にあったとするツイートや、騒動に便乗するようなものもあり、混迷の様相を呈していました。
そんな炎上真っ只中に代理店を通じてシエンプレに依頼がありました。我々は早速プロジェクトチームを発足し、対応を開始しました。
プロジェクト発足後、すぐに事実関係の把握を行いました。医療関係は、ペットであっても命に関わるセンシティブな内容のため、対応を誤ると炎上が大きくなることもあります。最初のツイートで問題視された異常行動について、「何が事実で何が事実ではないのか」を明確にするため、調査を実施しました。
事実関係の把握と並行して炎上状況を把握するため、SNS分析を実施しました。「拡散がどこで行われていて、どのような層に拡散されているのか。いつから拡散が始まったのか」などをつぶさに分析することで、炎上の被害範囲を特定していきました。
また炎上を抑制するため、問題の把握や調査などの対応を進めていることについて、早期にプレスリリースを打ちました。炎上は放置しておくと拡大する可能性が高く、企業が「動いている姿勢」を見せることが抑制につながります。初期対応では特にスピード感が重要なため、シエンプレでは打ち合わせ後3時間以内にプレスリリース案をまとめました。
本ケースでのワーストシナリオは炎上が長引くことで、企業イメージが傷つき、不買運動が起きることや販売店が取り扱ってくれなくなることです。最悪の事態を避けるため、まずは企業として誠意を持ってスピーディーに対応している姿勢を打ち出すことが大切です。
一連の調査の結果、薬品の摂取方法を誤ると、異常行動が発生する可能性があることが分かりました。裏を返すと、記載されている通りに正しい方法で摂取させていれば、異常行動を取る可能性は極めて低く、製品自体の品質には大きな問題はないことが事実として把握できました。また、SNSの分析から、実際に異常行動が見られたケースは極少数であり、いずれも摂取方法の間違いによるものである可能性が高いことが分かりました。
事実が判明し、次のフェーズにおけるポイントは、「どのように事実を伝えるのか」ということです。今回のケースでは製品の品質上の問題ではなく、誤った摂取方法による問題であることが明らかになりましたが、コミュニケーションを間違えると、誤った使い方をしたユーザーを責めることになってしまう恐れがあります。
そこで、過去の成功事例を参考に、コミュニケーションスタンスを決めていきました。シエンプレでは先行事例の研究を日々行っており、今回のケースではある食品メーカーが行った施策に注目し、以下の発表や対応を進めていきました。
・一連の炎上に対してユーザーを不安にしたことを謝罪
・調査の結果、今回のケースは非常にレアなケースであり、品質には問題がないことを発表
・摂取方法を誤らない限りは異常行動は見られないことを発表
・問題件数を把握するためのアンケートを実施
このアンケートの狙いは被害状況を明らかにすることと、正しい摂取方法について啓発することです。結果、実際に異常行動が見られたのは回答全体の0.2%と少数であり、いずれも摂取方法の誤りによるものであることがこのアンケートからも確認できたため、結果を開示し、E社は「炎上している企業」から「正しい知識を啓発する企業」へと立ち位置を変えていきました。
また、専門誌に掲載された質問への回答や、コールセンター等のモニタリングを行い、実際に異常行動が見られたユーザーへの個別対応も進めたところ、炎上は鎮静化していきました。その後は、パッケージや説明書の説明の変更も行い、同じような事態が発生しないように予防策を進めるところまでご支援させていただき、プロジェクトは終了しました。
先述した通り、今回のケースでのワーストシナリオは炎上によって販売店がE社のペット用害虫駆除薬品を取り扱ってくれなくなることでしたが、販売店からの解約を発生させずに炎上を抑えることができました。
特に、今回は、事実をどのように伝えるかというコミュニケーションの問題が非常に難しい案件でした。世の中には企業側に誤りがなくても、コミュニケーション方法を間違えることで、炎上が拡大してしまうケースが多くあります。
「先行事例や過去のデータについて研究しているシエンプレに依頼したからこそ、今回のようなケースでも被害を最小限に抑えることができた」と、E社からは高い評価を得ることができました。
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