ガイドライン策定(SNS)
弊社はこれまで蓄積した数千件の炎上事例データベースや社内の「シエンプレ デジタル・クライシス総合研究所」で解析した研究データを用いて、企業ごとにオリジナルのSNSガイドラインの策定...
今回ご紹介するのは、全国で脱毛サロンを展開するエステサロン運営会社B社での事例です。新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが発生したタイミングで、どのように店舗運営をすべきかについて、難しい判断を迫られました。「誰も経験したことがない状況の中で、特に広報対応の部分でどのような方針で進めるべきか、危機管理の専門家の立場からコンサルティングをしてほしい」との依頼がシエンプレにあり、プロジェクトが発足しました。
シエンプレでは最新事例を研究する部署があり、コロナのケースでも海外や国内企業の事例研究を行い、何がリスクかを明らかにした上で適切なリスクマネジメントを行いながら広報体制を整えていきました。どの企業にとっても、有事においては普段の業務にはない対応や判断を求められる上、失敗した際には経営上の大きなダメージを受ける可能性があります。そのリスクを最小化することが目的であった本プロジェクトですが、どのように対応を進めたのか。本プロジェクトのシエンプレ担当者に、当時の対応を振り返ってもらいました。
B社では、脱毛を中心としたサロンを運営しています。店舗を全国に構え、対面での接客が中心のサービスです。そんなサービスにあっても、今回の新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは未曾有の危機であり、経営や店舗運営について非常に難しい判断が求められました。100年に1度とも言われるような今回の事象に対し、B社の知る範囲では社外を含めても、知見がありませんでした。
脱毛サロンはビジネスの特性上、安心や安全はお客様へのサービスとして根底にあるべき重要な要素であり、コロナへの対策をどのように行うか、そして、どのように広報対応をするのかが大きなポイントになります。そこで、「外部の知見を借りたい」と、過去に取引のあったシエンプレに依頼をいただきました。
今回、シエンプレにとっても過去に事例がない案件だったため、初期対応では社内外の事例を収集するところから始めました。特に、海外では日本よりも感染状況が酷い地域や強力なロックダウンを行っている地域もあり、その地域でどのような運営や広報対応が行われているかを中心に情報収集を行いました。また、日本でも職場内クラスターなどが発生し始めた時期であり、企業の対応がどのように世間に受け止められているのかなどを細かく分析し、それらの情報を元に何がリスクかを整理していきました。
そこで、明らかになったのは、リスクとして最も大きいのは、感染症が発生した場合に発表をしないことでした。国内企業の中でも、広報体制が整わないうちに感染症が発生し、すぐに対応ができなかったことで、社会から「隠蔽しているのでないか」と不信感を抱かれ、炎上するケースが見受けられるようになっていました。そこで、B社で感染症が発生した場合、どのような広報対応を行うかのガイドラインをまとめていくことになりました。
ガイドラインでは、感染症が発生した場合のプレスリリースを、状況に合わせて柔軟に対応できるように、1つではなく数パターンの雛形を用意しておきました。また、感染症発生後もフェーズに合わせてどのようなプレスリリースを出すべきか、B社としてどのような内容をお客様に伝えることで安全や安心を維持できるのかを検討してきました。
具体的には感染者が発生したことだけではなく、その後の濃厚接触者の追跡状況なども含めて発信し、徹底的に透明性を維持することにしました。また実際に、厚生労働省などから出ている最新情報を元にして、お客様に対する啓発活動も行っていきました。
有事には刻一刻と状況が変わるため、ガイドライン策定後も国内外の状況に合わせて柔軟に対応していくことが大切でした。また、とにかくお客様に対して、透明性高く、適切なコミュニケーションを取ることを意識して対策を進めていきました。公式サイトには店舗や従業員がどのような対策を行っているかを明記し、感染状況も随時発表できる体制を整えておりました。新しい情報が出てきた時には随時、それらの情報を精査し、対応を変更したり、情報のアップデートを行っていきました。
プロジェクトはその後、緊急事態宣言が発令されたことで店舗が休業せざるをえない状況になったことや、社会全体としてもコロナへの対応の目処が立ったタイミングで終了しました。
今回、過去に事例のない未知へのリスクに対するプロジェクトでしたが、お客様からは「適切な対応ができた」との評価をいただいております。また、「シエンプレを利用したことで、外部の知見を踏まえて、適切な広報体制を整えることができた」ともお伝えいただきました。
「今回のケースを機に、有事だけでなく、平時からリスクへの対策をとっておくことの重要性を感じた」とのことで、その後、常時のモニタリング業務をご依頼いただいております。
シエンプレでは、過去のリスク対策で培ってきた知見や先行事例の研究などを通じて得た最新の情報を元に、新型コロナウイルス感染症のような未知のリスクにも対応できる体制を整えています。日々、リスク対策を専門的に行っているシエンプレだからこそ、対応ができたケースだと思います。
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