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テレビ番組の「足湯デトックス」効果に批判殺到!サイレントクレーム対策の重要性とは?

2020年3月18日

テレビ番組の「足湯デトックス」効果に批判殺到!サイレントクレーム対策の重要性とは?

インターネット上のソーシャルメディア普及に伴い、マスメディア離れが進んでいると言われる昨今。
総務省の2019年版情報通信白書を見ても、若年層を中心にテレビの視聴時間は減り、インターネットの利用時間が増えていることが分かります。

一方、白書には、各メディアの信頼度について調査した結果も掲載されています。
目を引くのは、若年層も含めてネットへの信頼度はマスメディアと比べて相対的に低くなっているという点です。

とりわけ10代のメディア別信頼度は、テレビが71.2%、新聞が64.0%に上ったのに対し、ネットは36.0%にとどまりました。
20代以上の年齢層も同様の傾向で、全年齢層の集計はテレビの63.6%、新聞の68.7%に対し、ネットは30.8%と極めて低調でした。

ネット情報の信頼度が著しく低い要因としては、次のような事柄が考えられます。
まず、放送局や新聞社といったマスメディアはニュースの発信源が明確であるのに対し、ソーシャルメディアは必ずしもそうではないということです。

ソーシャルメディアには「シェア」「リツイート」「リポスト」といった、SNS上などでの拡散につながる転送文化が広まっており、情報の発信者と発信源が切り離されることで情報が一人歩きしてしまいがちな側面もあります。
つまり、マスメディアの情報に寄せられる信頼は、それらを発信する放送局や新聞社などへの信頼に等しいと言えるでしょう。

ただし、このような状況を裏返せば、信頼度が高いはずのマスメディアがエビデンスやモラルに欠ける情報を発信した場合、大きな疑問や反発を招く可能性があるということです。

マスメディアが眉唾の情報を流したとしたら、コンテンツの拡散が常であるソーシャルメディアでは、どんな反応が起こるでしょうか?
実際に起こった事例を基に、詳しく検証してみましょう。

水素水に足を入れるだけで「老廃物が出た」

毎週日曜夜にテレビ放送されている、紀行バラエティー番組「M」。
メインMCを担当する人気お笑いコンビSがアシスタント役の女性アナウンサーと街歩きを繰り広げ、ふらりと立ち寄った店などの商品やサービスを見たり体験したりするという内容です。

肩肘張らないコミカルな会話に満ちた番組のスタイルはバラエティーそのものですが、2019年12月22日の放送内容が物議を醸しました。

東京・日本橋周辺を歩いていた3人が入ったのは、裏路地で営業するマッサージ店。
看板に書かれていたのは「足湯デトックス」なる聞き慣れない言葉です。
さらに、テレビ画面に映った店内ボードに記されていたのは「水素水に足を入れるだけ。わずか30分で体内に蓄積され、身体を酸化させてしまっている重金属を排出する、デトックスマシーン登場!」というセンセーショナルな説明文でした。

「最近、足がむくんでいる」と、疲れがたまっていることを打ち明ける女性アナウンサー。
早速、番組スタッフの男性と施術を体験したところ、アナウンサーが足を浸けた水は泥のように濁るという結果に。

ショッキングな映像に合わせ、テレビ画面には「老廃物が出た」というテロップも流されました。

「詐欺」「うさん臭い」 Twitterが「炎上」

物珍しさや目新しさを常に追求するのは、テレビの世界の宿命。
そうであるなら、この番組が世の中にあまり知られていない「足湯デトックス」を取り上げたのは、ある意味で当然の成り行きだったのかもしれません。

しかし、視聴者の反応はかなり厳しいものでした。
放送終了後、Twitter上には「これただの詐欺ですからね」などと批判するツイートが投稿され、「詐欺」「うさん臭い」といったリプライも続出します。
投稿は4.5万件の「いいね」と3万件のリツイートを生み出し、たちまち「炎上」状態となりました。

さらに、都内の美容クリニック院長も自身のブログで、医学的根拠に基づき「足湯デトックス」を酷評。
「炎上」したツイートのリプライでもこのブログが紹介され、538件のリツイートと606件の「いいね」を集めて拡散されました。

Twitter投稿数推移

※自社調べ

批判の矛先はテレビ局にも

また、Twitter上では「テレビ局は早急に謝罪、訂正すべき」「BPO(放送倫理・番組向上機構)案件では?」といった投稿が相次ぎます。
局側にも批判の矛先が向く中、テレビ番組の見逃し配信アプリ「Paravi」からは、最新の放送回にも関わらず「足湯デトックス」のエピソードが早々に削除されました。

Twitter上の投稿に素早く反応した甲斐もあってか、幸運にも「炎上」は年末年始をまたぐことなく収束します。
もっとも、「炎上」の長期化や、テレビ局の謝罪といった事態にまで至らずに済んだのは、今回の放送内容から、消費者に宣伝と悟られないように宣伝行為をするステルス・マーケティング(ステマ)のような「故意」は感じられなかったという側面があります。

つまり、番組の企画としてたまたま訪れた場所が「足湯デトックス」のサービスを提供している店だったにすぎないというわけです。
さらに、こうした事情もあったためか、テレビ番組やネットのニュースでさほど取り上げられなかったのも幸いしました。

今回の「炎上」は美容系施術という意味では「血液クレンジング」のケースと似ていますが、「血液クレンジング」の「炎上」は、多くの芸能人や著名人が施術効果を絶賛するSNS投稿を意図的に発信するなど、まさにステマ行為を疑われたことによるものでした。
そうした点で、「足湯デトックス」の「炎上」は「血液クレンジング」のそれとは一線を画すと言って良いでしょう。

デジタル・クライシスを防ぐためのサイレントクレーム対策を

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