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2019年11月15日
急速に進む少子高齢化を原因とする労働力の減少で、国内の雇用環境は空前の売り手市場となっています。リクルートワークス研究所の調査によると、2019年春卒業の大学生の求人倍率は7年連続プラスの1.88倍に達しました。
2000年前後の就職氷河期と2010年前後のリーマン・ショックの時代に正社員採用を取りやめた企業の多くは、今になって特定年代の人材の空洞化にも悩まされています。
これから社会に出る学生だけではなく、働き盛りの世代においても生じている人手不足は深刻さを増すばかりです。
しかし、企業活動を継続していく上で、安定的な人材確保は欠かせません。
環境に関係なく乗り越えなければならない課題ですが、企業は求職者を選ぶ時代から、選ばれる時代に変わりました。求職者は、多様な価値観で会社を選ぶようになっており、他社と比べて見劣りしない待遇さえ用意すれば、それなりの人材が集まってくるという時代は過ぎ去りました。
売り手市場の求職者を、給与や福利厚生といった要素だけでなびかせることはできません。彼らは働き甲斐や人間関係など、あらゆる側面をじっくり見極めようとしています。
こうした風潮を踏まえ、インターネット上で台頭しているのが「転職系口コミサイト」です。
近年、就職活動の過程で「OpenWork」(旧Vorkers)、「カイシャの評判」「転職会議」「キャリコネ」「みん就」といった転職系口コミサイトを閲覧する学生が増えています。学生たちは、一体どういった目的で転職系口コミサイトを覗いているのでしょうか?
目次
これまで、学生が就職活動に臨む際に参考にしていたのは「みんなの就職活動日記」のような就職活動生向けの交流サイトや就活ナビが主でした。
「みんなの就職活動日記」は就活生同士の情報交換や就職試験の選考情報を確認するために使われ、志望企業に直接アプローチできる就活ナビが並行して利用されていました。ただし、「みんなの就職活動日記」はあくまでも就職活動生同士の交流がメインです。
就活ナビは企業側が料金を支払って掲載する広告ページとしての意味合いが強く、「耳当たりの良い情報ばかりがあふれている」という印象は否めません。
当然ながら、社員のインタビューページに書かれている内容も企業の採用担当者や広報担当者のチェックを受けているため、企業にとって都合の悪い部分には触れられていないと受け止められています。
就活生の間で定着している母校のOB・OG訪問も同様です。
気心の知れた先輩ならともかく、初対面のOB・OGに職場の様子などを聞いても、どこまで本音で話してくれているのかは分かりません。そもそもOB・OGが、職場が抱えている問題点を把握していないのでは、との疑問もあるでしょう。
長時間労働などを強いられる「ブラック企業」の存在が社会問題化し、国を挙げての「働き方改革」により、働き方の多様化が進んでおり、多くの学生が「就職の志望先で、実際に働いている人たちの生の声を聞きたい」と渇望しています。
そうしたニーズにマッチしたのが、転職系口コミサイトでした。
「〇〇会社 評判」といった検索ワードを使ってリサーチする過程で見つけた転職系口コミサイトを閲覧すれば、良くも悪くもリアルな会社の内部事情を知ることができます。
若年からベテランまで、実際に会社組織に属した自らの体験に基づいて、赤裸々に明かされるリアルな情報が、学生にとっても大いに参考になることは間違いありません。
「自分の能力をどんな職場で、どのように発揮したいか」という点について明確なビジョンを持っている学生であれば、なおさらのことです。
こうした状況を受け、大学側も就職ガイダンスで「就職先行組は転職系口コミサイトを利用している」と紹介。
「OpenWork」は東大、京大といった超難関校の学生の利用が非常に多いといいます。
つまり、就職活動に真剣に取り組んでいる学生、あるいは優秀な学生ほど転職系口コミサイトを活用しているのです。
転職系口コミサイトの台頭に、企業はどう対処するべきでしょうか?
まず必要なのは、この種のサイトに投稿されるコメントを、しっかりと確認するための体制づくりです。
新卒採用に取り組む企業の多くは「1人でも多くの優秀な学生を取り込みたい」と考えていることでしょう。
新卒採用であっても、採用活動を行うにあたり、転職系口コミサイトの動向に注意を払わないのはあまりにも無防備です。
例えば、国内最大規模を謳うサイトには2019年10月時点で、850万件を超える口コミと企業の評価スコアが登録されています。
しかし、書き込みは、一方的に投稿主の意見だけが反映されるものです。コメントの掲載基準も明確に提示されておらず、投稿内容は玉石混交です。
自社に対する根も葉もない中傷や、過去に退職した従業員から嫌がらせのような投稿がされないとも限りません。
まことしやかに発信されたネガティブ情報が、多くの学生の目に触れ、SNSなどで拡散してしまったら、その後の新卒採用で他社に後れを取るだけでなく、地道に積み上げてきた企業のブランドイメージにまで取り返しのつかないダメージを及ぼす恐れもあります。
優秀な学生ほど転職系口コミサイトを利用しているという実態も考慮すると、でたらめな投稿が原因で貴重な人材採用の機会を逃すリスクは何としても避けたいところです。
シエンプレの対策サービスは、過去の書き込み内容を網羅するのはもちろん、新規投稿も即座にキャッチします。
悪質な書き込みを投稿した人物の特定や事実に反するコメントの削除のための支援など、過去の実績を通して蓄積した豊富なノウハウを生かした的確な対策方法もご提案致します。
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