2019.11.11
企業が知っておくべき直近の拡散動向 不適切動画などの「炎上」リスクへの備えは?
2020年11月16日
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中の人々の生活を一変させてしまいました。
世界的大ベストセラーとなった「銃・病原菌・鉄」などの著書で知られる米国のジャレド・ダイアモンド博士は、新型コロナについて「人類が世界共通の敵と戦うのは初めてのこと」と解説しています。
新型コロナのパンデミック(世界的流行)の収束について、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は2020年8月の記者会見で「2年未満で可能」との見通しを示しました。
しかし、世界の医療関係者の中には「さらに長期化する」、あるいは「人類社会が続く限り永久に収束しない」との見方も根強くあります。
いずれにせよ、ウイルスの流行が収束するまで、元の自由な生活に戻れないことは間違いありません。日本でも「第3波」が疑われる感染拡大に見舞われ、多くの国民が先の見えない状況に追い込まれています。
経済活動への影響が長引けば、人々の心に蔓延しやすくなるのが「絶望」や「不安」といった感情でしょう。それを顕著に表わしているのが、2020年の自殺者数の増加です。
警察庁のまとめによると、1~6月は1,600人を超えた月はゼロでしたが、7~9月はそれぞれ1,800人台で推移。3月、6月の500人台を除いて400人台だった女性の自殺者数は、7~9月に軒並み600人台を数えました。
もちろん、そうした行動に至ってしまったすべての原因がコロナ禍にあるわけではないでしょう。
しかし、昨今の暗たんたる世相が人々の目下の生活はもちろん、将来への不安も募らせていることを考えれば、コロナ禍が自殺者数の増加傾向と無関係とは言い切れないはずです。
目次
さて、社会的な混乱や不安が大きくなると、インターネット上で顕著に見られる現象があります。
いわゆるフェイクニュースやデマなどと呼ばれる誤情報、真偽不明情報の氾濫です。
得体の知れない病原体が猛威を振るうにつれ、日本でファクトチェックの普及活動を努める非営利団体「ファクトチェック・イニシアチブ(FIJ)」の公式サイトへのアクセス数も平時の数十倍に急増しました。
まさに、ネット情報に対する世の中の関心の高まりが如実に表れた格好です。
フェイクニュースやデマ、まことしやかな憶測情報は、ひと目で虚偽だと分かるような内容、あるいは誰も関心を寄せないほどマイナーな話題であれば拡散されることもないでしょう。
そうした意味では、2020年に相次いだ有名人の自殺報道がフェイクニュースやデマ、憶測情報にまみれてしまうのは時間の問題でした。なお、今年はコロナの影響もあったのか、有名人だけでなく一般人の自殺も去年と比べて急増しています。特に女性や子供の自殺件数が増加しているそうで、今までとは違う生活様式を強いられることや、経済的な不安などの様々な要因が働いてこのような悲しい出来事が続いているのかもしれません。
例えば、2020年7月に自ら命を絶った人気若手俳優をめぐっては、「時の政権に暗殺された」と断定する趣旨の憶測ツイートが投稿されました。
心ないデマの被害は、この俳優と知己の放送作家にまで及びます。
その作家の氏名を標榜したアカウントに投稿されていたのは、死者に鞭打つような数々の暴言。アカウントはたちまち「炎上」しましたが、実は本人の正真正銘のアカウントは2カ月も前に削除されていました。
つまりこの暴言は、第三者の何者かがこの放送作家になりすまして立ち上げたアカウントから発信されたものだったというわけです。
被害はさらに、この俳優とは全く関係のない男性アイドルにまで飛び火しました。
YouTubeのインフルエンサーとして知られる人物が、この男性アイドルが自殺を図ったのではないかと連想させる投稿を自らのTwitterアカウントで発信し、「炎上」する事態となったのです。
2020年9月に人気女優の自殺が報じられた際も同様の現象が発生しました。
マスコミが速報を流した直後、Twitter上では「他殺」という憶測情報が拡散。次いで「産後うつではないか」と、またしても憶測に過ぎない情報が飛び交ったのです。
ここでも、自殺の原因を時の政権と結び付ける投稿が出現。挙げ句の果てには本人の自宅の所在地がさらされたほか、「自殺の可能性は低い」というデマツイートも拡散されました。
こうしたデマの横行を助長したとみられるのが、複数の「まとめサイト」の記事です。
Twitterアカウントが多数フォローするこれらのサイトに掲載された記事には、意図的に憶測を招くような刺激的なタイトルが冠されているほか、記事をよく見ると明確な根拠や引用元の記載も少なく、いかにも読者に誤解を与えそうな内容が書かれています。
こうした記事が受け入れられる一因には、SNSなどインターネット上の情報に比べて信頼度が高いとされてきた既存の大手マスコミの報道姿勢も挙げられるでしょう。
例えば、WHOの「自殺報道ガイドライン」では「自殺に用いた手段について明確に表現しない」「自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えない」ことが定められています。
ところが、大手の報道の中にも、これらに違反する可能性のある記事が複数確認されました。
コンプライアンス上の「緩み」にも見える報道の在り方、言い換えれば「読者の目を引く発信をしてこそ意味がある」という考え方でSNS化しているマスコミの姿勢が、憶測やデマを生む要因の1つになっている可能性は否めないでしょう。
もちろん、「まとめサイト」に記事を掲載される可能性があるのは、著名人に限ったことではありません
一般企業でも何らかの形で「炎上」やトラブルを起こした場合、常にデマや憶測にさらされるリスクを抱えています。
こうした情報が拡散されてしまった場合の企業損失は計り知れないことから、万一に備えた日頃の対策が欠かせないのです。
国内唯一のデジタル・クライシス対策カンパニーのシエンプレは、憶測やデマの拡散を助長する「まとめサイト」やTwitterアカウントを定期的にウォッチし、早期の発見・対応ができる体制を構築します。
顧客企業を取り巻くデマや憶測情報が発生した場合、拡散源や事実関係の調査、拡散経路のモニタリングを経て、場合によっては公式サイト上で企業公式見解を掲載します。
さらに、メディアを通じて反論記事や掲載することも可能です。
ちなみに、シエンプレが運営するシエンプレ デジタル・クライシス総合研究所の調査によると、1つの事象についてメディアが報道するまでのスピードは24時間以内のケースが21.4%に上ります。
このデータに基づき、デマや憶測情報の発生を受けた弊社の調査~事実関係発信の対応も24時間以内に遂行します。
なお、先述したFIJにはシエンプレも加入していることから、しかるべき第三者へのファクトチェック依頼も可能です。
さらに、FIJに加入しているメディアパートナーは、ファクトチェックの結果を踏まえた記事を公開してくれる可能性もあります。
コロナ禍で高まっているSNSなどの「炎上」リスクは他人事ではありません。
予期せぬデジタル・クライシスから自社を守るための対応強化を検討する場合は、国内唯一の対策カンパニーである弊社にぜひ一度ご相談ください。
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